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カフェの儲かるメニュー一覧【原価率5〜55%全比較】食材高騰時代の設計法

15 min

カフェで儲かるメニューを選ぶとき、「原価率の低いものを主力にすればいい」と考えていないでしょうか。その考え方は半分正しく、半分間違っています。

結論

カフェで儲かるメニューの三本柱は「コーヒー・ハーブティー・焼き菓子」です。原価率5〜20%のこれらを主力に据え、セット設計・季節限定・客単価アップを組み合わせることが「儲かるカフェ」の設計思想の核心になります。食材価格高騰が続く現実を踏まえると、かつての「原価率20〜25%が目安」という情報はすでに古いといえます。

この記事では、競合記事が一切提供していない「ドリンク13品・フード9品、計22品目の原価率横断比較表」を中心に、公的データを根拠にしたメニュー戦略の設計法を解説します。単品の数字を並べるだけでなく、セット設計・テイクアウト原価・月商シミュレーションまで踏み込んでいきます。

  • 「儲かるメニュー」の定義 — 原価率だけでは判断できない理由
  • 22品目の原価率横断比較表(ドリンク13品・フード9品)
  • 業界平均と「儲かるライン」— 日本政策金融公庫・金融庁のデータから
  • 本当に儲かるメニューTop5とその根拠
  • セット設計・アップセルで客単価を800〜1,000円以上に引き上げる方法
  • テイクアウトの原価率に「容器代」を計上する重要性

この記事でわかること

  • 「儲かるメニュー」の正しい定義と3条件
  • カフェメニュー22品目の原価率一覧
  • 業界平均と食材価格高騰後の適正原価率
  • 本当に儲かるメニューTop5とその根拠
  • セット設計で全体原価率を最適化する方法
  • テイクアウトの原価率と容器代の計算
  • トレンドメニューの原価率と活用戦略
  • FL比率から逆算するメニュー戦略
  • 月商シミュレーション
  • よくある質問

なお、カフェ開業に必要な資金計画・届出・物件選びの全体像は、カフェ開業の完全ガイドでまとめています。メニュー設計と並行して確認してください。

「儲かるメニュー」の定義をまず整理しておく

儲かるメニューの3つの分類
結論

儲かるメニューは「原価率が低いだけ」では決まりません。注文頻度・客単価・回転率の3要素を組み合わせて評価し、この3条件を同時に満たすメニューを主力に据えることが出発点です。

「儲かるメニュー」というキーワードには、実は二種類の意味が混在しています。ここでその混乱を整理しておかないと、メニュー設計が根本からずれてしまいます。

  • 原価率だけで判断すると失敗する理由
  • 儲かるメニューの3条件(原価率×需要×単価)

原価率だけで判断すると失敗する理由

多くのカフェ関連記事は「原価率の低いメニューが儲かる」という前提で書かれています。たしかに原価率は重要な指標です。しかし、原価率だけで判断すると見落とす問題があります。

わかりやすい例で考えてみましょう。スパークリングウォーター(炭酸水)は原価率が5〜8%と非常に低いです。しかし「スパークリングウォーターください」と注文する客は多くありません。原価率5%でも注文頻度がゼロに近ければ、そのメニューは売上に貢献しません。

逆にフラペチーノ系のドリンクは原価率40〜55%と高く、単品で見れば利益が薄いです。ただし若い女性客の集客力があり、SNSで拡散され、新規来店のきっかけになるなら、「集客商品」として明確な役割を持ちます。

カフェ業界の実務を知るキーコーヒーが自社コラムで指摘しているように、「コーヒー1杯で3時間滞在する客がいる場合、原価率が低くても回転率が悪いため儲からない」という現実があります。原価率と回転率は別の問題です。

また、カフェ開業スクールのCafe’s LIFEは、メニューを「売れ筋商品・利益商品・集客商品」の3種類に分類する考え方を提示しています。これが「儲かるメニュー」を正確に理解するための出発点になります。

分類特徴代表的なメニュー
利益商品原価率が低く、毎日注文される主力。利益の柱コーヒー・ハーブティー・紅茶
集客商品原価率は高めでも来店動機を生む。SNS映え・話題性が強みフラペチーノ・季節限定映えドリンク
客単価UP商品ドリンクにプラスしてセット販売。利益額を底上げする焼き菓子・スコーン・サンドイッチ

上の表で注目していただきたいのは「利益商品」の欄です。コーヒー・ハーブティー・紅茶というシンプルなドリンクが、カフェ経営の利益の大半を支えています。

儲かるメニューの3条件(原価率×需要×単価)

利益商品・集客商品・客単価UP商品という分類を踏まえた上で、「本当に儲かるメニュー」を選ぶための3条件を整理します。

条件内容目安
① 原価率が低い1杯あたりの材料費が売価に対して低い15%以下が理想。30%以上は要注意
② 注文頻度が高い来店客の多くが注文する。需要の裾野が広い1日の注文数が全体の10%以上を占める
③ 単価を上げられる高品質化・ラテアート・プレミアム素材で値上げできる余地がある最低500円以上、スペシャルティなら700〜1,200円も可

この3条件を全て満たすメニューが「主力に据えるべきメニュー」です。1条件のみを満たすメニューは補助的な役割に留め、主力には選びません。以降の章では、この定義を基準に「どのメニューが最も儲かるか」を数字で示していきます。

カフェメニュー22品目の原価率一覧表

カフェメニュー22品目 原価率一覧
結論

原価率の低いゾーン(5〜15%)はドリンク系が中心です。フードは「客単価UP商品」として、低原価率ドリンクと組み合わせることで収益性が出ます。

カフェメニューの原価率を横断比較した一覧を提供します。競合記事の多くがドリンクのみのランキング形式にとどまる中、ドリンク13品・フード9品を同じ基準で比較できる構成です。

  • ドリンク13品目の原価率比較
  • フード・スイーツ9品目の原価率比較

ドリンク13品目の原価率比較

ドリンクはカフェ売上の85%前後を占めます(日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。原価率の設計においてドリンクが最も重要な意思決定領域です。

下の表は、主要ドリンク13品の平均原価・目安売価・原価率・需要度を一覧にまとめたものです。需要度★★★が「毎日多く注文される」、★が「注文が少ない」を意味します。

メニュー平均原価(円)目安売価(円)原価率需要度特記事項
ハーブティー(ティーバッグ)10〜30500〜6005〜10%★★仕込み不要・ロス少・ノンカフェイン需要カバー
ブラックコーヒー(自家焙煎)約27500約5.3%★★★船井総研データ。粗利率約94.7%水準
アメリカーノ / ドリップコーヒー20〜40500〜6005〜10%★★★業務用豆でも1杯あたりの原価を抑えやすい
紅茶(ティーバッグ)20〜40450〜6008〜12%★★仕込み簡単・ロスが少ない。需要の裾野が広い
レモネード(自家製)30〜50500〜70010〜15%★★夏場は★★★に上昇。SNS映え。自家製シロップで原価削減可
アイスコーヒー30〜60500〜60010〜15%★★★夏場の回転率が高い。ホットより若干原価高め
カフェラテ60〜100550〜70010〜18%★★★ラテアートで高単価化・SNS映え。ミルク比率で原価変動
カフェオレ70〜120550〜70012〜20%★★ミルク比率が高いほど原価率上昇。差別化が課題
抹茶ラテ80〜150600〜80013〜25%★★抹茶粉の品質で原価が大きく変動。高品質訴求で単価アップ余地
オーツミルクラテ150〜250650〜80025〜35%植物性ミルクの高コストが課題。高単価化が前提
アーモンドミルクラテ200〜300700〜90030〜45%植物性ミルク系は全般的に原価率が高い。ニッチ差別化向き
フラペチーノ系300〜500700〜90040〜55%★★集客商品として位置づけ
スムージー(生フルーツ使用)200〜400700〜1,00040〜50%フルーツ相場変動リスク大。仕込み手間多。要注意ゾーン

※上記は船井総研テンポスフードメディア等の業界データを基に2026年2月時点で集計した参考値です。仕入れ価格・仕込み方法・売価設定により変動します。

上の表で注目していただきたいのは、コーヒー系3品(ブラックコーヒー・アメリカーノ / ドリップ・カフェラテ)が需要★★★かつ原価率15%以下の欄に入りやすい点です。この3品が揃えばドリンク売上の主力を構成できます。

ちなみに、自家焙煎コーヒーの原価約27円という数字を初めて見たとき、個人的には飲食の中で際立って優れたビジネスモデルだと感じました。1杯27円の原価で500円で売れる商品は、他の飲食ジャンルではほぼ存在しません。

フード・スイーツ9品目の原価率比較

ドリンクの横断比較を確認したところで、続いてフード・スイーツ9品目を見ていきます。フードの原価率はドリンクより高めになる傾向がありますが、客単価アップの武器として欠かせません。

メニュー平均原価率特徴カフェでの役割
トースト10〜20%食パン+バターのシンプル構成。原価が読みやすいモーニング・ランチの主力
焼き菓子(クッキー・スコーン)15〜20%保存性高・ロス少・大量生産可。フードで最も原価率が低いドリンクとのセット販売・レジ前衝動買い
サンドイッチ15〜25%具材によって原価率に幅があるランチ需要・テイクアウト
プリン20〜30%仕込み手間あり。作り置き可能スイーツ系の定番・セット販売
チーズケーキ20〜30%焼き上がりの管理が重要。スライス数で原価が変わるスイーツ系の看板メニュー候補
ケーキ(ショートケーキ等)25〜35%季節フルーツで上昇しやすい季節限定・シグネチャーメニュー
パフェ30〜40%トッピング多数で原価率が上がりやすい高単価・SNS映え・集客商品
アボカドトースト35〜45%アボカド価格の変動リスク大おしゃれ感の演出。原価管理要注意
フルーツボウル(生フルーツ使用)40〜55%フルーツ相場変動リスク最大。食品ロスも多い高単価だが利益が出にくい。限定利用が無難

※上記はテンポスフードメディア・業界一般データを基に2026年2月時点で集計した参考値です。

上の表で注目していただきたいのは焼き菓子の欄です。原価率15〜20%と低く、保存性が高くロスが少ないのが経営面の強みです。コーヒーとのセット販売に組み込む「客単価UP商品」として最も扱いやすいフードメニューといえます。葉楽(業務用紅茶卸)が自社コラムで指摘しているのも、この原価率の低さが根拠になっています。

業界平均と比較してわかる「儲かるライン」

原価率の基準が変わった 旧基準vs新基準
結論

2026年時点では、カフェの原価率目標は25〜30%が現実的な基準です。以前の「20〜25%」という情報は食材価格高騰前の古い基準になります。

カフェメニューの横断比較表を見たところで、次は「そもそもカフェ全体の原価率として何%を目標にすべきか」を公的データで確認していきます。競合記事の大半が出典なしの「20〜25%が目安」を繰り返す中、一次ソースに当たることでより正確な基準が得られます。

  • 日本政策金融公庫が示す飲食業の原価率
  • 2024年以降の食材価格高騰で変わった適正原価率

日本政策金融公庫が示す飲食業の原価率

飲食業全般の原価率として最も信頼できる公的データが、日本政策金融公庫の調査です。

一般飲食店(小企業)の平均原価率は36.9%(2021年度実績)

引用:日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査

ただしこれは「一般飲食店」全体の平均値であり、カフェ・喫茶店はドリンク主体の業態ゆえ、業界全体平均より原価率が低くなりやすいです。日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」によると、カフェ・喫茶店の原価率目安は24〜35%とやや幅があります。

J-Net21(中小企業基盤整備機構)のデータを見ると、カフェ市場は長年1〜1.2兆円規模で推移しており、業態の収益構造は比較的安定しています。ただし近年は需要面の回復と同時に、食材コスト上昇が個人経営カフェを直撃している状況です。

経営の健全性を評価するもう一つの重要指標がFL比率です。

飲食業のFLコスト(食材費+人件費)適正比率:60%以下。FLコスト65%超は経営危険信号。55%以下は経営良好。FLR比率(家賃含む)は70%以下が経営安定ライン。

引用:金融庁「業種別支援の着眼点(飲食業)」2023年3月

この基準を逆算すると、売上100万円・人件費25万円(25%)の場合、食材費(原価)の上限は35万円(35%)になります。「FL比率60%以下」を守るために原価率35%が上限という計算です。

2024年以降の食材価格高騰で変わった適正原価率

金融庁データで「原価率35%以下」という基準を確認したところで、現在の業界実態と照らし合わせる必要があります。

2020年以前の記事にある「カフェの原価率は20〜25%が目安」という情報は古いです。食材価格高騰が続く現状では、古い基準で自分の経営を評価すると「原価率が高い」と誤って判断するリスクがあります。

2026年時点の現実を確認しましょう。飲食店の94.6%が仕入れ価格の上昇を実感しており、68.4%が価格改定を実施しています(業界調査2025年版)。コーヒー豆・砂糖・乳製品・小麦粉、いずれも2022〜2025年にかけて価格が大幅に上昇しました。

こうした状況を踏まえると、2026年時点でのカフェ原価率の現実的な目標は以下のように再設定すべきです。

原価率2020年以前の評価2026年時点の評価
20%以下理想的非常に優秀。自家焙煎・原価管理が徹底されている
20〜25%理想的良好。食材高騰下でこの水準を維持できれば十分に優位
25〜30%許容範囲現実的な目標値。2026年現在の「適正原価率」
30〜35%要改善許容範囲。FL比率を60%以内に収めれば経営は成立
35%超危険域要注意。メニュー見直しが必要

食材高騰に合わせて売価の見直しを行いながら原価率を適正に保つことが求められます。価格改定を実施したカフェが多いように、値上げは「経営を守る行為」として前向きに捉えていきましょう。

本当に儲かるメニューTop5とその根拠

儲かるメニューTop5
結論

Top5はいずれも「原価率5〜20%かつ日常的な需要がある」メニューで構成されます。フラペチーノ等の高原価率メニューは「集客商品」として補助的に配置するのが最善です。

業界平均のデータを確認した上で、先ほど定義した「儲かるメニューの3条件(原価率×需要×単価)」を適用した場合に最も優れているメニューTop5を選定します。単純な原価率の低さではなく、「注文頻度が高く、かつ単価を上げられる余地がある」という複合評価です。

順位メニュー原価率需要度儲かる理由
1位ブラックコーヒー(自家焙煎)約5.3%★★★原価27円・売価500円で粗利率94.7%水準(船井総研データ)。毎日需要があり、スペシャルティで単価700〜1,200円も可能
2位アメリカーノ / ドリップコーヒー(業務用豆)5〜10%★★★業務用焙煎豆でも1杯あたりの原価を抑えやすい。毎日注文される定番需要
3位カフェラテ10〜18%★★★需要が高く、ラテアートで高単価化・SNS映えも可能。客単価アップへの橋渡し役
4位焼き菓子(スコーン・クッキー)15〜20%★★★コーヒーとのセット販売で客単価+200〜500円。保存性が高くロスが少ない
5位レモネード(自家製)10〜15%★★(夏★★★)夏場は需要が急増し主力になりやすい。SNS映え・クラフト感で差別化余地

上の表で注目していただきたいのは、Top5が全てコーヒー系ドリンク・ハーブ系・焼き菓子という「古典的なカフェメニュー」で構成されている点です。目新しいトレンドメニューではなく、長年の市場で検証された「日常的に注文される定番品」が最も儲かる構造を持っています。

2024〜2025年の全日本コーヒー協会「統計資料」によると、日本のコーヒー消費量は400,218トン(2024年)とほぼ横ばいで推移しています。コーヒー需要は長期的に安定しており、「主力をコーヒーに置く」という戦略的判断は市場データからも裏付けられます。

セット設計で全体原価率を最適化する

セット設計の原価率計算
結論

セット販売は「客単価を上げながら全体原価率を主力ドリンクに引き寄せる」方法です。コーヒー(原価率10%)とスコーン(原価率18%)のセットは、全体の原価率が約13%に収まります。

Top5の主力メニューが決まったところで、次は「個々のメニュー選定」から「メニュー全体の組み合わせ設計」に視点を移します。カフェ経営で見落とされがちなのが、セット販売によってメニュー全体の原価率を調整できるという発想です。

  • 低原価率ドリンク×中原価率フードの組み合わせ計算
  • アップセル・クロスセルで客単価を800〜1,000円以上に

低原価率ドリンク×中原価率フードの組み合わせ計算

客単価アップの4ステップ

スマレジが運営するアキナイラボは、複数カテゴリの売上比率で加重平均を計算する手法を解説しています。この考え方を応用したセット設計の計算例を3パターン紹介します。

セット内容ドリンク原価率フード原価率セット売価セット全体原価セット全体原価率
コーヒー(500円)+ スコーン(300円)10%(原価50円)18%(原価54円)800円104円13.0%
カフェラテ(600円)+ プリン(350円)15%(原価90円)25%(原価88円)950円178円18.7%
アイスコーヒー(500円)+ サンドイッチ(400円)12%(原価60円)22%(原価88円)900円148円16.4%

上の表で注目していただきたいのは「セット全体原価率」の欄です。いずれのパターンでも、セット全体の原価率はドリンク単体の原価率よりわずかに高いだけで抑えられています。一方で売上額は大幅に増えます。コーヒー単品を10杯売るより、コーヒー+スコーンのセットを10組売る方が利益額は明確に大きくなります。

セット販売の設計において重要なのは「高原価率のフードを選ばない」ことです。アボカドトースト(35〜45%)やフルーツボウル(40〜55%)をセットに組み込むと、全体の原価率が跳ね上がります。焼き菓子・プリン・サンドイッチという「原価率20〜25%以下のフード」を組み合わせ相手に選ぶことが鉄則です。

アップセル・クロスセルで客単価を800〜1,000円以上に

セット販売の計算構造を理解したところで、実際の接客で使えるアップセル・クロスセルの設計を見ていきます。

カフェの平均客単価は400〜800円(コーヒー1杯の価格帯)が基本です。一人経営の小規模カフェで採算を取るには、客単価800〜1,000円以上が必要になります(席数・回転率との組み合わせ次第です)。

ステップ提案内容追加単価累計売価
① 基本注文コーヒー単品500円
② スイーツセット提案「+300円でスコーンセットになります」+300円800円
③ 季節限定ドリンク提案「今月の桜ラテはいかがですか」(+200円)+200円1,000円
④ ミルク変更オプション「オーツミルク変更は+100円です」+100円1,100円

全てのアップセルを受け入れてもらえるわけではありませんが、セットを提案するだけで一定割合がセットに移行するという現場感覚は多くのカフェ経営者が共有しています。ランチメニューに「+200円でドリンク付き」を設定するのも同様の発想です。

余談ですが、カフェラテにラテアートを付けるだけで+100円できる店を複数見てきました。客が写真に撮ってSNSに投稿してくれると、広告費ゼロで集客にも繋がります。原価はほぼ増えず(技術があれば)単価アップが実現します。

テイクアウトに「焼き菓子を2個以上購入で10%引き」という仕組みを入れると、単価アップと合わせてまとめ買い需要も取り込めます。ただし割引の原資はしっかり計算する必要があります。

テイクアウトの原価率は「容器代」を忘れずに

結論

テイクアウトは容器・袋代として1杯あたり35〜95円の追加原価が発生します。店内提供と同価格でのテイクアウトは原価率が大幅に上昇するため、テイクアウト専用価格の設定が必要になります。

セット設計の話を踏まえて、テイクアウト特有の注意点を押さえておきたいと思います。競合記事で欠落しがちなのが「テイクアウト時の容器・袋代」を原価に計上するという論点です。

テイクアウト時に発生する追加コストの内訳を確認しておきましょう。

資材コスト目安(円/杯)
カップ(ホット/アイス用)20〜50円
蓋・ストロー5〜15円
袋・紙袋10〜30円
合計追加コスト35〜95円/杯

この数字が何を意味するか、計算で確かめてみましょう。

自家焙煎コーヒー(原価約27円・売価500円・原価率5.3%)を店内で提供する場合、原価率は5.3%です。同じコーヒーをテイクアウト容器(追加コスト50円)に入れて同じ500円で提供すると、原価は27円+50円=77円になり、原価率は15.4%に上昇します。

テイクアウト価格を店内と同じに設定すると、容器代分だけ原価率が上昇します。コーヒーでも原価率が5.3%から15%超になります。スムージーや生フルーツドリンクでは原価率がさらに悪化しやすいため、テイクアウト専用価格の設定や容器コストを最小化する工夫が必要です。

テイクアウトで利益を出すための条件は3つです。

  • テイクアウト専用価格を設定する(+50〜100円が目安)
  • 容器のまとめ発注でコスト削減(1個あたり単価を下げる)
  • コーヒー豆の小売販売と組み合わせる(豆販売の原価率20〜25%は高めでも、利益額が大きい)

なお、rebozu(Uber Eats代行)のコラムでも指摘されているように、Uber Eatsを利用する場合は売上の30〜35%が手数料として引かれます。デリバリー対応メニューは「デリバリー手数料+容器代」を計算した上で売価を設定しなければ赤字になりやすいです。

2024〜2026年トレンドメニューの原価率と活用戦略

結論

トレンドメニューは「主力」ではなく「集客商品」として位置づけましょう。主力は原価率5〜20%の定番ドリンクで固め、トレンドは季節限定・シロップ変更で低コストに演出するのが賢い設計です。

テイクアウトの原価計算まで踏まえたところで、トレンドメニューの扱い方を整理します。テイクアウトとトレンドは接続しやすい話題でもあります。SNS映えするメニューは、テイクアウト容器でさらに拡散されやすいからです。

  • スペシャルティコーヒー・抹茶ラテ
  • 季節限定ドリンクを低原価率で設計する方法

スペシャルティコーヒー・抹茶ラテ

スペシャルティコーヒーは、2024〜2026年のカフェ業界で注目すべきトレンドの一つです。参考として、スペシャルティコーヒー協会SCAJの市場調査2024が参照されることがあります。

メニュー原価率目安設定可能な売価特徴
スペシャルティコーヒー(シングルオリジン)5〜15%700〜1,200円豆の希少性・産地ストーリーで高単価設定可。粗利率が高いまま
抹茶ラテ(宇治抹茶使用)15〜25%700〜900円高品質訴求で差別化。海外観光客需要も取り込める
オーツミルクラテ25〜35%650〜800円植物性ミルクの高コストが課題。健康・サステナビリティ訴求で差別化
ドバイチョコレートスイーツ30〜45%800〜1,200円SNSトレンド。話題性で集客。単体利益より集客効果を優先

スペシャルティコーヒーの場合、生豆を自家焙煎すれば原価率を抑えながら売価700〜1,200円を実現しやすくなります。需要の安定性の参考として、全日本コーヒー協会「コーヒー需要動向調査2024」も確認材料になります。

抹茶ラテは注意点があります。宇治抹茶など高品質な抹茶粉を使うと原価率が上昇し、安価な抹茶パウダーでは品質を訴求しにくいです。どちらにするかによって売価設定と顧客ターゲットが変わります。コンセプトに合わせた選択が必要です。

季節限定ドリンクを低原価率で設計する方法

スペシャルティ系の話題を踏まえると、「トレンドを追いかける前に、まず季節限定メニューの原価率設計を固める」ことが優先度の高いアクションだとわかります。

季節限定メニューの経営的な意味は「今だけ」という希少性でSNS投稿を誘発し、無料宣伝効果を得ることにあります。ポイントは「低原価率で季節感を演出できる素材を選ぶ」ことです。生フルーツを使うと原価率が40〜55%に跳ね上がりやすい一方、シロップ・スパイスなら10〜20%以内で季節感を出せます。

季節推奨メニュー原価率目安ポイント
桜ラテ(桜シロップ使用)10〜15%シロップ変更のみ。フォトジェニックで拡散されやすい
クラフトレモネード、ハーバリウムウォーター10〜15%視覚的に映える。爽やかさで来店動機を作る
かぼちゃラテ(パンプキンスパイスシロップ)10〜20%認知度が高い味の型。シロップで手軽に季節感
チョコレートラテ、シナモンラテ15〜25%温かみで滞在率が上がりやすい。年末商戦と連動

上の表で注目していただきたいのは、全季節のメニューが「シロップ・スパイスベース」であることです。共通の基本ドリンク(コーヒー・ラテ)をベースに季節のシロップを変えるだけで、仕入れ品目は増えずに季節感を演出できます。食材の使い回し設計ができているため、食品ロスのリスクも低くなります。

実際に桜シロップ一本で売上が伸びた、という話をカフェ経営者から聞いたことがあります。SNS投稿は顧客が自主的に行うため広告費は増えにくく、シロップ代だけが追加コストになりやすい点もメリットです。

FL比率から逆算するメニュー戦略

FL比率の適正値
結論

FL比率60%以下(金融庁基準)を守るために、売上100万円・人件費25%の場合、食材費(原価)の上限は35%(35万円)になります。この逆算で「自分のカフェが設定すべき原価率の上限」が明確になります。

季節限定メニューの設計まで踏み込んだところで、視点を広げて「利益を出すためにメニュー全体の原価率をどのレベルに維持すべきか」を逆算する方法を整理します。ここで使うフレームがFL比率です。

FL比率とは、売上に対する食材費(Food)と人件費(Labor)の合計比率です。

飲食業のFLコスト(食材費+人件費)適正比率は60%以下。食材費35%+人件費25%が標準。FLコスト65%超で経営危険信号、55%以下で経営良好。FLR比率(家賃含む)は70%以下が経営安定ライン。

引用:金融庁「業種別支援の着眼点(飲食業)」2023年3月

この基準を実際の数字で確認してみましょう。

月売上人件費(25%)食材費上限(35%)FL合計FL比率
100万円25万円35万円60万円60%(適正)
150万円37.5万円52.5万円90万円60%(適正)
200万円50万円70万円120万円60%(適正)

売上が上がっても「FL比率60%以下」という比率目標は変わりません。売上が増えれば使えるコストの絶対額も増えますが、比率管理が必要になります。

FL比率の視点からメニュー設計を考えると、次のような方針が出てきます。

  • ドリンクを中心に原価率を低く設定し、FL比率の食材費枠を効率的に使う
  • フードは原価率20〜30%以内のものに絞り、フードの比率が上がっても全体のFL比率が崩れないように管理する
  • アルバイトを含めた人件費(25〜30%)を前提に、食材費の上限を30〜35%以内に設定する

なお、家賃(Rent)を含めたFLR比率は70%以下が経営安定ラインとされます。立地の良い物件は家賃が高いため、FLR比率を維持するには原価率をさらに抑えるか売上を伸ばす必要があります。開業準備の全体像はカフェ開業の完全ガイドも合わせて確認してください。

月商シミュレーション — 席数×回転率×客単価

月商シミュレーション
結論

月商は「席数×回転率×客単価×営業日数」で計算できます。客単価を200円引き上げるだけで月商が大きく変わるケースがあります。セット設計・アップセルによる客単価向上が月商に直結します。

FL比率の管理指標を確認したところで、最後に「実際にどの程度の月商が見込めるか」を具体的な数字で計算してみましょう。抽象的なメニュー戦略を実際の収益数字に落とし込む作業です。

キーコーヒーが自社コラムで提示している「座席数×回転数×客単価=1日売上」という計算式を、月商シミュレーションに発展させて確認します。

席数1日回転率客単価1日売上目安月商目安(25日)
10席2回転600円12,000円300万円
10席2回転800円16,000円400万円
10席2回転1,000円20,000円500万円
15席2回転800円24,000円600万円
20席1.5回転1,000円30,000円750万円

上の表で注目していただきたいのは、同じ10席・2回転という条件でも、客単価が600円→800円→1,000円と変わるだけで月商が300万円→400万円→500万円と大きく変わることです。客単価200円の差が月商100万円の差を生みます。

セット設計やアップセルで客単価を600円から800円に引き上げることは、現実的に達成可能な目標です。コーヒー500円の注文に「+300円でスコーンセット」を提案して一定割合が応じてくれれば、平均客単価は上がる計算になります。

ただし回転率は席の埋まり方と滞在時間に大きく左右されます。コーヒー1杯で長時間滞在が多いカフェでは、原価率が低くても月商が上がりません。メニュー戦略と座席回転率の設計はセットで考える必要があります。

現実のカフェ運営では、想定した回転率に届かないケースもあります。無理のない想定で計画しつつ、メニューで客単価を底上げし、混雑時間帯のオペレーションと席運用で回転率を整えることが重要です。

よくある質問

月商シミュレーションで全体像が見えたところで、読者からよく聞かれる疑問にまとめて答えておきます。

Q

カフェで一番儲かるメニューは何ですか?

A

利益率と需要を総合した場合、ブラックコーヒー(自家焙煎)が最も儲かるメニューです。原価約27円・売価500円で原価率5.3%という低さに加え、需要が安定しています。自家焙煎が難しい場合でも、業務用焙煎豆でも低原価で設計しやすい点が強みです(参考:船井総研データ)。

Q

カフェの原価率の目安はどのくらいですか?

A

2026年時点では25〜30%が現実的な目標値です。以前の「20〜25%が目安」という情報は食材価格高騰前の基準になりやすい点に注意してください。公的データの参考として、日本政策金融公庫の小企業の経営指標調査などを確認すると判断材料になります。

Q

カフェのフードメニューは儲かりますか?

A

フード単体では原価率が高くなりやすく、「利益商品」としては機能しにくい傾向があります。ただし「客単価UP商品」としての役割は大きいです。焼き菓子(原価率15〜20%)をドリンクとセットにすると客単価が上がり、セット全体の原価率は低原価率ドリンクに引き寄せられて抑えられます。

Q

テイクアウトはカフェの儲けになりますか?

A

テイクアウト自体は回転率向上に有効ですが、容器・袋代(35〜95円/杯)を計算に入れないと原価率が大幅に上昇します。店内と同じ価格で提供すると、低原価率のコーヒーでも原価率が上がります。テイクアウト専用価格(+50〜100円目安)や容器コストの最適化が必要です。デリバリーは手数料も加味して設計しましょう(参考:rebozu)。

Q

フラペチーノは儲からないのですか?

A

フラペチーノは原価率40〜55%と高く、「利益商品」としては機能しません。ただし若い客層の集客力・SNS拡散・来店動機を生む「集客商品」として明確な役割があります。利益はコーヒーやハーブティー等の低原価率ドリンクで確保し、フラペチーノは入口メニューとして限定活用するのが現実的です。

まとめ:儲かるカフェのメニュー設計の3原則

メニュー設計の3原則
結論
  • 主力は原価率5〜20%のドリンク(コーヒー・ハーブティー・カフェラテ)に固定する。ここが利益の源泉。
  • フードはセット販売で「客単価UP商品」として位置づける。焼き菓子(15〜20%)を中心に、原価率25%以内のフードに絞る。
  • 高原価率メニューは「集客商品」として限定活用する。フラペチーノ・季節映えメニューは主力にしない。SNS集客の投資として割り切る。

コーヒー1杯の原価が低く、セット設計で客単価を引き上げ、回転率と掛け合わせて月商を作る。この設計思想を理解した上でメニューを組むことが、「儲かるカフェ」への出発点になります。

食材価格高騰が続く現実を踏まえ、原価率の目標値も「20〜25%」から「25〜30%以内」に現実的に設定し直すことが必要です。古い数字を基準にして自分の経営を評価し続けることは避けたいところです。

メニュー設計と並行して確認が必要な「資金計画・届出・物件選び」の全体像は、カフェ開業の完全ガイドにまとめています。あわせて確認してください。