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営業許可証の取り方5ステップ|費用・書類・検査基準を総まとめ

7 min

「飲食店を開業したいけれど、営業許可証の取り方がよく分からない」「保健所への申請や施設検査の流れが複雑そうで不安」──こうした悩みを抱える方は少なくありません。

結論からお伝えすると、営業許可証の取得は5つのステップを順番に進めれば難しくありません。事前相談・書類準備・申請・施設検査・交付という流れを把握しておけば、初めてでもスムーズに手続きが完了します。

この記事では、飲食店の営業許可証の取り方を5ステップで時系列に整理し、必要書類・手数料の目安・保健所の施設検査で見られるチェックポイントまで網羅して解説します。開業日から逆算して準備を進めていきましょう。

飲食店に必要な営業許可証とは

結論

営業許可証とは、食品衛生法に基づき保健所が交付する許可証で、飲食店を営業するために必ず取得しなければならないものです。無許可で営業した場合は2年以下の懲役または200万円以下の罰金の対象となります。

食品衛生法に基づく営業許可の分類体系と許可業種の全体像

食品衛生法に基づく許可制度の概要

営業許可証は、店舗の施設や設備が衛生的に運営できる状態であることを保健所が確認し、交付するものです。飲食店のほか、菓子製造業や食肉販売業など、食品衛生法では全32業種が営業許可の対象として定められています。

たとえば一般的な飲食店(レストラン・カフェ・居酒屋など)を開業する場合は「飲食店営業許可」を取得します。以前は「飲食店営業」と「喫茶店営業」が別々の許可でしたが、現在は飲食店営業に一本化されています。業態によっては複数の許可が必要になるケースもあるため、事前に保健所へ確認しておくと安心です。

法改正で変わった許可の仕組み

2018年の食品衛生法改正(2021年施行)により、営業許可制度は大きく変わりました。特に押さえておくべき変更点は次の3つです。

  • HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理がすべての飲食店に義務化された
  • 営業許可の対象業種が再編され、32業種に整理された
  • 営業届出制度が新設され、許可不要の業種にも届出が必要になった

小規模な飲食店の場合は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」が求められます。厚生労働省が公開している手引書に沿って衛生管理計画を作成し、日々の記録を残すことが必要です。開業前にこの仕組みを理解しておくと、許可取得後の運営もスムーズに進みます。

営業許可証を取得する2つの条件

ポイント
  • 食品衛生責任者を1店舗につき1名設置すること
  • 施設基準に適合した店舗設備を整えること
  • この2つを満たさなければ営業許可は交付されない
営業許可証取得に必要な人的要件と設備要件の対比図

食品衛生責任者の設置が必須

営業許可を取得するには、店舗ごとに食品衛生責任者を1名配置しなければなりません。食品衛生責任者とは、食品の衛生管理を担う責任者のことで、原則として他店舗との兼任はできません。

食品衛生責任者になれるのは、次のいずれかに該当する方です。

  • 調理師・栄養士・製菓衛生師など食品衛生に関わる資格の保持者
  • 各自治体が実施する食品衛生責任者養成講習会の修了者

養成講習会は1日(約6時間)で修了でき、受講費用は約10,000円です。ただし東京や大阪など都市部では予約がすぐに埋まり、1ヶ月先まで空きがないこともあります。遅くともオープンの1ヶ月前には受講を完了できるよう、早めに予約しておきましょう。小さなカフェ開業に必要な資格についても、あわせて確認しておくと安心です。

施設基準に適合した店舗設備

もう1つの条件は、店舗の施設や設備が食品衛生法の定める施設基準に適合していることです。施設基準は全国共通の基準に加えて、各自治体が条例で独自の基準を設けているため、地域によって細かなルールが異なります。

代表的な基準としては、調理場と客席の区画分離、2槽以上のシンク設置、手洗い設備の設置、十分な換気・照明設備などが挙げられます。居抜き物件であっても基準を満たしていなければ改修が必要になるため、物件契約前に必ず保健所へ事前相談することが重要です。

営業許可証の取り方5ステップ

この節のまとめ
  • 事前相談 → 書類準備 → 申請 → 施設検査 → 交付の5段階で進める
  • 申請から許可証の交付まで約2〜3週間が目安
  • 内装工事の着工前に保健所で事前相談するのが成功の鍵
営業許可証の取り方5ステップを示すフロー図

保健所への事前相談で基準を確認

営業許可証の取り方で最も重要なのが、最初のステップである保健所への事前相談です。事前相談は無料で、物件の図面や設備レイアウトを持参すると、施設基準に適合するかどうかを事前に確認してもらえます。

この段階で基準に合わない箇所が見つかれば、内装工事の設計変更で対処できます。逆に工事完了後に不適合が発覚すると、やり直し工事で余分な費用と時間が発生するリスクがあります。飲食店開業の流れ全体を把握したうえで事前相談に臨むと、話がスムーズです。飲食店開業の流れ8ステップも参考にしてください。

必要書類をそろえて申請する

内装工事が完了したら、必要書類をそろえて管轄の保健所に営業許可申請を行います。申請のタイミングは開店予定日の2〜3週間前が目安です。提出書類の詳細は後述しますが、食品衛生責任者の資格証明書と施設の図面が必須となります。

申請書は保健所の窓口で入手できるほか、自治体の公式サイトからダウンロードも可能です。また、厚生労働省の食品衛生申請等システムを使った電子申請にも対応しています。記入方法に不明点がある場合は、事前相談の際に保健所の担当者に確認しておきましょう。

施設検査を受けて合格する

書類に問題がなければ、保健所の担当者が店舗を訪問して施設検査(現地調査)を実施します。検査は営業者本人の立ち会いが必要です。調理場の設備や衛生管理の状況が施設基準に適合しているかを細かくチェックされます。

検査に合格すれば、後日営業許可証が交付されます。もし不適合の箇所があった場合は営業許可が出ません。指摘された箇所を改善したうえで再検査を受ける必要があるため、事前相談の段階で基準を十分に確認しておくことが大切です。

許可証の交付を受けて掲示する

施設検査に合格すると、保健所から営業許可証交付予定日のお知らせが届きます。交付方法は自治体によって異なり、保健所窓口で直接受け取る方法と郵送で届く方法があります。東京や大阪では通知書と印鑑を持参して保健所で受け取るのが一般的です。

交付された営業許可証は、お客様から見える場所に掲示することが義務付けられています。あわせて食品衛生責任者の名札(10cm×20cm以上)も施設内に掲示してください。営業を開始できるのは、原則として許可証の交付を受けてからです。

更新手続きと届出の注意点

営業許可証には有効期限があり、自治体や業種によって異なりますが、概ね5〜8年程度に設定されています。有効期限が近づいたら、期限内に保健所で更新手続き(継続申請)を行いましょう。更新を忘れると無許可営業の扱いになるため注意が必要です。

また、営業開始後に施設や設備に変更が生じた場合や、廃業する場合にも保健所への届出が必要です。施設の変更内容によっては新たに営業許可を取り直す必要があるケースもあるため、変更前に保健所へ相談してください。

申請に必要な書類と費用の目安

ポイント
  • 申請書・図面・食品衛生責任者の資格証明書が基本の3点セット
  • 手数料は地域により約16,000〜19,000円
  • 法人の場合は登記事項証明書も必要

必要書類の一覧と入手先

営業許可の申請に必要な書類は以下のとおりです。自治体や営業形態によって追加書類が求められる場合があるため、事前相談時に最新の情報を確認してください。

書類名概要入手先
営業許可申請書申請者情報・施設所在地・営業の種類等を記入保健所窓口 / 自治体サイト
営業設備の大要・配置図厨房・客席の配置と設備を図面で記載保健所窓口 / 自治体サイト
施設付近の見取図店舗周辺の地図(Googleマップの印刷でも可)自作
食品衛生責任者の資格証明書修了証や資格証の原本または写し講習会修了時に交付
水質検査成績書貯水槽・井戸水を使用する場合のみ必要ビル管理会社に問い合わせ
登記事項証明書法人が申請する場合のみ必要法務局

営業設備の大要は店舗内の設備を漏れなく記載し、配置図は縮尺1/100以上の精度が求められます。内装工事業者に平面図の作成を依頼する方法もあります。

手数料は約16,000〜19,000円

営業許可申請の手数料は自治体の条例で定められており、飲食店営業の場合は約16,000〜19,000円が相場です。手数料は書類提出時に現金で支払うのが一般的ですが、一部の自治体ではキャッシュレス決済にも対応しています。

なお、一度納付した手数料は検査の結果にかかわらず返金されません。不合格になった場合は改善後に再検査を受けますが、再検査に追加費用がかかるかどうかは自治体によって対応が異なります。

このほか食品衛生責任者の養成講習会の受講費用(約10,000円)もかかるため、営業許可に関連する費用の合計は約26,000〜30,000円程度と見込んでおきましょう。開業資金全体の計画については飲食店開業に使える助成金・補助金一覧もあわせてご確認ください。

施設検査で見られるポイント

注意

施設検査の基準は自治体ごとに細かなローカルルールがあります。本記事では全国共通の代表的な基準を紹介しますが、必ず管轄の保健所で最新の基準を確認してください。

営業許可の施設検査で確認される店舗設備チェックポイントの概念図

調理場と客席の区画・構造

施設検査では、まず調理場(厨房)と客席が明確に区画されているかが確認されます。壁やスイングドアなどで仕切られ、調理場に外部からの汚染が入り込まない構造が求められます。

調理場の床面・内壁・天井は清掃や消毒がしやすい素材であること、十分な照度が確保されていることも基準に含まれます。また、客席と調理場それぞれに手洗い専用の設備が必要です。調理場の手洗いは感知式・レバー式など手指を直接触れずに操作できるタイプが推奨されています。

洗浄設備と給湯の基準

食器や調理器具を洗浄するためのシンクは、2槽以上の設置が基本です。一般的に1槽あたりの内径サイズは幅45cm×奥行き36cm×深さ18cm以上が求められます。自動洗浄機を設置している場合は1槽でも認められるケースがあります。

あわせて、洗浄や消毒に使用するための給湯設備も必要です。自治体によっては「60度以上の湯が出ること」のように具体的な温度基準を設けている場合もあります。シンクや給湯設備の仕様は内装工事の段階で確定するため、工事前の事前相談で基準を確認しておくことが欠かせません。

防虫・防鼠・換気設備の要件

衛生管理の観点から、虫やネズミの侵入を防ぐ対策も検査項目に含まれます。具体的には以下の点がチェックされます。

  • 窓にはすべて網戸を設置する(開閉しない固定窓は除く)
  • 食品や食器を保管する棚・戸棚には扉やフタを設ける
  • 排水溝にはグレーチングやトラップを設置する
  • 十分な換気設備(換気扇・排煙装置)を備える

食品の保管容器のフタは業務中に取り外せるタイプで問題ありませんが、保管時にフタができる構造であることが条件です。これらの基準は保健所によって細かな違いがあるため、初めての出店では必ず事前相談を受けましょう

飲食店の開業準備を体系的に進めたい方は、飲食店開業に必要な資格・届出・資金の完全解説もあわせてご覧ください。

営業許可証に関するよくある質問

補足

ここでは営業許可証の取り方に関して、開業準備中の方からよく寄せられる質問をまとめています。

Q

自宅で飲食店を開業する場合も営業許可証は必要ですか?

A

はい、自宅であっても食品を調理・提供する場合は営業許可が必要です。自宅の台所とは別に、営業専用の調理場を設け、施設基準を満たす必要があります。テイクアウト専門の場合も同様に営業許可が必要です。

Q

営業許可証がないまま営業するとどうなりますか?

A

無許可営業は食品衛生法違反となり、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される可能性があります。また、営業停止処分を受けた場合は取り消しから2年間は新たに営業許可を取得できなくなるため、必ず許可を取得してから営業を開始してください。

Q

保健所の施設検査に落ちたらどうなりますか?

A

不合格の場合、指摘された箇所を改善したうえで再検査を受ける必要があります。改善が完了するまで営業許可は交付されないため、開業スケジュールに遅れが生じます。事前相談の段階で図面や設備計画を保健所に確認してもらうことで、不合格のリスクを大幅に減らせます。

Q

営業許可証の有効期限はどのくらいですか?

A

有効期限は自治体や業種によって異なりますが、飲食店営業の場合は概ね5〜8年程度です。有効期限が近づいたら期限内に更新手続きを行いましょう。更新手続きには手数料と再度の施設検査が必要で、更新を忘れると無許可営業の扱いになります。