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カフェと喫茶店の違い5つ|法律・メニュー・純喫茶も比較解説

8 min

「カフェと喫茶店って何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか。見た目や名前の印象だけでなく、実は法律上の定義やメニューの範囲にも明確な違いがあります。

結論から言うと、カフェと喫茶店の違いは営業許可の種類・提供できるメニュー・雰囲気やコンセプト・歴史的な成り立ち・純喫茶との関係の5つに整理できます。ただし2021年の食品衛生法改正により、法律上の区分はすでに廃止されています。

この記事では、カフェと喫茶店の違いを比較表付きで整理し、2021年の法改正の影響や純喫茶の意味、開業時の業態選びまで順番に解説します。

カフェと喫茶店の違いを比較表で整理

結論

カフェと喫茶店の違いは「法律上の営業許可」「提供メニューの範囲」「雰囲気・内装」「客層」「歴史的背景」の5つです。2021年の法改正で営業許可の区分は統合されたため、現在の違いは主に文化的・イメージ的なものになっています。

カフェと喫茶店は、どちらもコーヒーや軽食を提供する飲食店ですが、法律・メニュー・雰囲気・歴史の面で異なる特徴を持っています。まずは全体像を比較表で確認しましょう。

比較項目カフェ喫茶店
旧営業許可(2021年以前)飲食店営業許可喫茶店営業許可
現在の営業許可飲食店営業許可(統合済み)飲食店営業許可(統合済み)
アルコール提供可能旧制度では不可
調理の範囲制限なし旧制度では加熱・盛り付けのみ
雰囲気明るく開放的・おしゃれ落ち着いたレトロな空間
代表的なメニューパスタ・パンケーキ・ラテアートナポリタン・固めプリン・クリームソーダ
接客スタイルセルフサービスが多いフルサービスが多い
客層若年層・ファミリー中高年層・一人客

上の表で注目していただきたいのは、「旧営業許可」と「現在の営業許可」の欄です。かつては法律上の明確な区分がありましたが、2021年の法改正で統合されたため、現在は法的な違いがなくなっています。つまり今の「カフェ」と「喫茶店」の違いは、お店のコンセプトや文化的なイメージの違いです。

イメージ・雰囲気の違い

多くの人が感覚的に抱くイメージとして、カフェは「おしゃれ」、喫茶店は「レトロ」という印象があります。実際にGoogleの検索データでもこの傾向は裏付けられており、「カフェ おしゃれ」の月間検索数は約12,100件であるのに対し、「喫茶店 レトロ」は約3,600件です。反対に「カフェ レトロ」は約880件、「喫茶店 おしゃれ」は約590件にとどまります。

カフェは白を基調とした明るい内装・大きな窓・Wi-Fi完備など、現代的で開放的な空間設計が特徴です。一方、喫茶店は木目調の家具・間接照明・ビロード張りのソファなど、昭和の香りが漂う重厚感のある空間を大切にしています。

提供できるメニューの違い

2021年の法改正以前は、カフェと喫茶店では提供できるメニューの範囲に法律上の制限の差がありました。

カフェ(飲食店営業許可)では、食材の調理に制限がなく、パスタやオムライスなどの本格的な食事メニューやアルコール類の提供が認められていました。一方、喫茶店(喫茶店営業許可)では、提供できるものがソフトドリンクと調理を伴わない軽食(トースト・サンドイッチ・クッキー等)に限られ、アルコールの提供もできませんでした。

ただし重要な点として、店名と営業許可の種類は一致する必要がなかったことが挙げられます。「喫茶〇〇」と名乗りながら飲食店営業許可を取得し、ナポリタンやカレーを提供する店も多く存在しました。現在は営業許可が統合されたため、どちらの名前を掲げても提供できるメニューに法的な差はありません。

法律上の違いと2021年の法改正

ポイント
  • 2021年5月以前:カフェ=飲食店営業許可、喫茶店=喫茶店営業許可が必要だった
  • 2021年6月の食品衛生法改正で「喫茶店営業許可」は廃止され、飲食店営業許可に一本化された
  • 現在はカフェも喫茶店も同じ「飲食店営業許可」で開業する
2021年食品衛生法改正によるカフェと喫茶店の営業許可統合の流れ

旧制度での営業許可の違い

2021年5月31日までの食品衛生法では、飲食店の営業許可は「飲食店営業」と「喫茶店営業」の2つの区分に分かれていました。食品衛生法施行令第35条では、それぞれ以下のように定義されています。

区分法律上の定義(要約)できること
飲食店営業食品を調理し、設備を設けて客に飲食させる営業調理の制限なし・アルコール提供可
喫茶店営業酒類以外の飲物または茶菓を客に飲食させる営業加熱・盛り付け程度の軽食のみ・アルコール不可

喫茶店営業許可は設備基準のハードルが低い(一槽シンクでも可など)代わりに、メニューの自由度が大幅に制限されていました。具体的には、提供できる食べ物はビスケットやクッキーなど調理不要なものか、トーストを温める程度の簡易な加熱に限られていたのです。

飲食店営業と喫茶店営業の定義は、食品衛生法施行令第35条に基づきます。
引用元:キーコーヒー カフェと喫茶店の違いは何?

法改正後の現在の扱い

2021年6月1日の食品衛生法改正により、「喫茶店営業許可」は廃止され、「飲食店営業許可」に統合されました。これにより、カフェと喫茶店の法律上の区別は完全になくなっています。

改正のポイントは以下の通りです。従来34業種だった許可業種が32業種に整理・統合され、喫茶店営業は飲食店営業に吸収されました。さらに、改正前は飲食店営業許可とは別にケーキの製造販売に菓子製造許可が必要でしたが、改正後は飲食店営業許可だけでケーキの調理販売が可能になるなど、一つの許可で取り扱える範囲が拡大しています。

なお、改正前に「喫茶店営業許可」で営業していた店舗には経過措置が設けられており、許可の有効期限内はそのまま営業を継続できました。ただし経過措置中でも、喫茶店営業の範囲を超えたメニュー(アルコールや本格的な調理を伴う食事)を提供するには、改めて飲食店営業許可を取得する必要がありました。

純喫茶とは?カフェ・喫茶店との違い

補足

純喫茶の「純」は「純粋にコーヒーを楽しむ店」の意味。昭和初期にアルコールや接待を伴う「特殊喫茶」と区別するために生まれた呼び名です。現在は昭和レトロな雰囲気を持つ喫茶店を指すことが多くなっています。

カフェ・喫茶店・純喫茶の関係性と違いを示す構造図

「純」の意味と誕生の背景

「カフェと喫茶店の違い」を調べると、必ず登場するのが「純喫茶」というキーワードです。純喫茶の「純」は、純粋にコーヒーを楽しむための店という意味を持っています。

この言葉が生まれた背景には、大正から昭和初期にかけての喫茶文化があります。当時「カフェー」と呼ばれた店の中には、女性従業員(女給)による接待やアルコールの提供を売りにする業態が急増しました。こうした店は後に「特殊喫茶」と呼ばれるようになり、1929年の「カフェバー等取締要項」や1933年の「特殊飲食店取締規則」によって規制の対象となります。

そこで、接待を伴わず、純粋にコーヒーを提供する店を「純喫茶」と呼んで区別するようになりました。1955年頃から1975年頃にかけて、各地に「純喫茶」を掲げた店が多数営業していたとされています。

純喫茶の定番メニューと特徴

現在「純喫茶」と呼ばれる店には、以下のような共通する特徴があります。

  • マスターがカウンターでコーヒーを淹れる:サイフォン式やネルドリップなど、手間をかけた抽出が特徴
  • 昭和レトロな内装:ビロード張りのソファ、ステンドグラス、間接照明
  • 定番メニュー:ナポリタン(銀皿盛り)、固めのプリン、クリームソーダ、ホットケーキ
  • 落ち着いた時間の使い方:読書やマスターとの会話を楽しむ空間

近年は若い世代を中心に「昭和レトロブーム」が起きており、純喫茶巡りを趣味にする人や、純喫茶の魅力をまとめた書籍も増えています。法律上の区分が消えた現在、純喫茶は「コーヒーへのこだわりと昭和の空気感を大切にした喫茶店」という文化的なカテゴリーとして存在しています。

カフェと喫茶店の歴史をたどる

ポイント
  • 日本初の喫茶店は1888年に東京・上野で開店した「可否茶館」
  • 1911年に銀座で「カフェー・プランタン」が開業し、カフェ文化が広まった
  • 1990年代以降のカフェブームで現代的なスタイルが定着した
明治から現代までのカフェと喫茶店の歴史年表

明治〜昭和の喫茶文化の変遷

日本の喫茶文化の始まりは、1888年(明治21年)に東京・上野に開店した「可否茶館(かひさかん)」です。コーヒーのほかトランプやビリヤードも楽しめる複合的な社交場でしたが、わずか4年で閉店しました。

本格的なカフェ文化が花開いたのは1911年(明治44年)。銀座に「カフェー・プランタン」が開業し、パリのカフェを模した会員制サロンとして芸術家たちの社交場になりました。ここではアルコールも提供されていたとされています。

昭和初期にはカフェーが東京だけで7,000軒以上に急増しましたが、同時に女給による接待サービスを売りにする店も増え、風俗的な業態との境界が曖昧になっていきます。この問題を受けて「特殊喫茶」と「純喫茶」の区別が生まれ、法的な規制も敷かれました。

戦後はコーヒー豆の輸入再開(1950年)を機に喫茶店が復活し、1970年代にかけて「ジャズ喫茶」「歌声喫茶」「漫画喫茶」など多彩な業態が誕生します。喫茶店の事業所数は1981年の約15万4,600店をピークに減少に転じ、2021年時点では約5万8,700店まで減少しています。

現代のカフェブームとレトロ回帰

1990年代後半から2000年代にかけて、スターバックスやタリーズに代表されるシアトル系カフェが日本に上陸し、「カフェ」のイメージは大きく変わりました。セルフサービス・テイクアウト・Wi-Fi完備といった現代的なスタイルが定着し、若年層にとっての「お茶をする場所」はカフェが主流になっていきます。

一方で、2020年代に入ると昭和レトロブームの影響で純喫茶が再注目されています。SNSでは「純喫茶巡り」がトレンドとなり、クリームソーダや固めプリンの写真が若い世代の間で人気を集めています。喫茶店の事業所数はピーク比で約62%減少しましたが、残った店舗には長年のファンだけでなく新しい世代の客も訪れるようになっています。

開業するならカフェと喫茶店どちらか

注意

現在は法律上の区分がないため、「カフェ」「喫茶店」どちらを名乗っても取得する営業許可は同じです。業態の選択は法的要件ではなく、ターゲット・コンセプト・立地に基づいて判断しましょう。

カフェと喫茶店の業態選びフローチャート

コンセプトによる業態の選び方

2021年の法改正で営業許可が一本化された現在、「カフェ」と「喫茶店」の選択は純粋にコンセプトの問題です。どちらを選ぶかは、ターゲットとする客層や提供したい体験で決まります。

判断基準カフェ向き喫茶店向き
ターゲット20〜30代・ファミリー層40代以上・一人で過ごしたい層
立地商業地・駅前・大学周辺住宅街・路地裏・オフィス街
メニューラテアート・パンケーキ等の映えメニューこだわりのハンドドリップ・昭和レトロメニュー
回転率高め(テイクアウト併用)低め(長時間滞在を許容)
内装投資トレンドに合わせた更新が必要一度作れば長期間使える

とはいえ、どちらの名前を選んでも提供できるサービスに法的な差はありません。「喫茶店」と名乗りながらパスタやアルコールを出すことも、「カフェ」と名乗りながらレトロな空間を作ることも自由です。大切なのは、店名と実際の雰囲気・メニューが一致しているかどうかです。

必要な資格と届出の共通点

カフェ・喫茶店のどちらで開業する場合でも、必要な資格・届出は共通しています。

  • 食品衛生責任者:1名以上の配置が必須(講習受講で取得可能)
  • 飲食店営業許可:管轄の保健所に申請し、施設基準の検査を受ける
  • 防火管理者:収容人数30人以上の店舗で必要
  • 深夜酒類提供飲食店営業開始届出書:深夜0時以降にアルコールを提供する場合

カフェ開業に必要な資格と届出の詳細は、小さなカフェ開業に必要な資格で解説しています。具体的な開業の流れを確認したい方は飲食店開業の流れ8ステップもあわせてご覧ください。

なお、テイクアウトで製造食品を販売する場合は、飲食店営業許可とは別に菓子製造業や惣菜製造業などの許可が必要になることがあります。メニューが固まった段階で、管轄の保健所に確認するのが確実です。

カフェと喫茶店の違いに関するFAQ

この節のまとめ

カフェと喫茶店の違いについて、よくある疑問を4つピックアップしてQ&A形式で回答します。

Q

カフェと喫茶店の一番大きな違いは何ですか?

A

現在は法律上の違いがないため、最も大きな違いは「雰囲気・コンセプト」です。カフェは明るく現代的な空間、喫茶店は落ち着いたレトロな空間を特徴とする傾向があります。2021年以前は営業許可の種類が異なり、喫茶店ではアルコール提供や本格的な調理ができないという法的な制限がありました。

Q

純喫茶と喫茶店の違いは何ですか?

A

純喫茶は「アルコールを扱わず、純粋にコーヒーを楽しむ店」を指す言葉で、昭和初期に接待を伴う「特殊喫茶」と区別するために生まれました。現在では法律上の定義はなく、昭和レトロな雰囲気でマスターがこだわりのコーヒーを淹れる喫茶店を「純喫茶」と呼ぶことが一般的です。

Q

喫茶店営業許可はなくなったのですか?

A

はい。2021年6月1日施行の改正食品衛生法により、喫茶店営業許可は飲食店営業許可に統合されました。現在、喫茶店を新規に開業する場合も飲食店営業許可の取得が必要です。既存の喫茶店営業許可は有効期限まで使えましたが、更新時には飲食店営業許可への切り替えが求められます。

Q

コメダ珈琲店やドトールはカフェですか?喫茶店ですか?

A

法律上はどちらも「飲食店営業許可」を取得して営業しています。コメダ珈琲店はフルサービスでレトロ感のある内装から「喫茶店」のイメージが強く、ドトールはセルフサービス中心で「カフェ」に近い印象です。ただし、これはあくまでイメージ上の分類であり、法律上の区別ではありません。